ゆっくり、意図をもった練習

· 上手な練習のしかた · レベル1 · 12分

ピアノを弾くことと、ピアノを練習することの間には大きな違いがあります。弾くとは、昨日よりうまくいくことを願いながら、曲を最初から最後まで通すことです。練習するとは、はっきりした問題を1つ選び、それを解決し、解決できたかを確かめることです。早く上達するピアニストは、必ずしも鍵盤の前で長く過ごしているわけではありません。時間の使い方が違うのです。

なぜゆっくり?

パッセージを弾くたびに、脳は実際にしたことを記録します。正しい音だけでなく、間違った音、ためらい、力んだ肩も。速く雑に10回弾けば、壊れたバージョンを10回練習したことになります。ゆっくりなら、弾く前に各音を予測する時間があります。繰り返しが正しくなり、それが刻み込まれるのです。

遅いテンポは罰ではなく、虫めがねです。音を聴き、手首の力が抜けるのを感じ、運指を見る時間を与えてくれます。しなやかな動作でゆっくり作り上げたものは速くできます。速く力んで作ったものは、分解し直さなければなりません。

黄金のルール:正しい練習テンポとは、そのパッセージを1つも間違えず、まったく力まずに3回続けて弾けるテンポです。必要なら、最終テンポの半分、あるいは4分の1でもかまいません。

ゆっくり ≠ だらだら

効果的なゆっくり練習は、本番の演奏のすべての質を保ちます。最終的な運指、強弱、アーティキュレーション(レガート、スタッカート)、フレージング。遅くするのは音と音の間の時間であって、意図ではありません。映画のスローモーションを思い浮かべましょう。どの動作も完全で、ただ引き伸ばされているだけです。

この短いパッセージで試してみましょう。まず4分音符 = 60で、弾く直前に各音を思い浮かべながら:

M:4/4
L:1/8
Q:1/4=60
K:C
CDEF GABc | BAGF EDCD | C8 |]

1回の練習に1つの目標

座る前に、1つの問いに答えましょう。この練習の終わりに、何が良くなっていなければならないか?「ソナタを練習する」ではなく、「9〜12小節の右手、運指を決めて、72ですき間のないレガート」。はっきりした目標は確かめられます。あいまいな目標は、ただ弾くことの中に溶けてしまいます。

  1. 診断する:パッセージを1回弾き、引っかかる正確な場所を特定します(多くは1つか2つの音、手のポジションの変わり目)。
  2. 取り出す:その小さな場所だけを、つなぐために前後1音ずつつけて練習します。
  3. ゆっくり直す:楽にできるテンポで、正しい動作(運指、重み、手首の動き)を見つけます。
  4. 固める:完璧な繰り返しを続けて3〜5回。間違いが入ったら、数はゼロに戻ります。
  5. 戻す:フレーズ全体を弾き直し、直したところが前後の流れの中でも崩れないか確かめます。

注意力こそが本当の燃料

集中した10分は、自動操縦の1時間に勝ります。ほかのことを考えていたり、聴かずに繰り返していたりする自分に気づいたら、止まりましょう。パッセージを変えるか、休憩するか、練習を終えます。集中の質こそ、練習の中で最も貴重な資源です。

よくある間違い:
  • いつも最初からやり直すこと。冒頭はきらきら輝き、終わりはもろいままになります。
  • 通して弾きながら難しいところだけ遅くすること。むらのあるテンポを覚えてしまいます。
  • 弾くたびに運指を変えること。手が何も自動化できません。
  • 間違いに戻らずに、弾きながら直すこと(「あとで取り返そう」)。間違いは記録されたままです。

今週の練習

練習曲第1番を選びましょう。練習のたびに、ノートに1行の目標を書き、上の5ステップの方法でゆっくり練習し、最後に何が良くなったかを書き留めます。1週間後にノートを読み返すと、自分の時間がどこに使われたかがはっきりわかるはずです。

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