François Couperin (1668–1733)
「大クープラン」と呼ばれ、サン=ジェルヴェ教会のオルガニストでルイ14世の宮廷音楽家だったフランソワ・クープランは、フランスのクラヴサン音楽の巨匠で、詩的な題名をもつ曲を集めた4巻の曲集を残しました。
フランソワ・クープランは1668年、音楽家の一族のもとパリに生まれました。ごく若くして、一族が150年以上にわたって受け継いだサン=ジェルヴェ教会のオルガニストの職を継ぎ、1693年にはルイ14世の王室礼拝堂のオルガニストのひとりになりました。
彼は4巻のPièces de clavecin(『クラヴサン曲集』、1713年、1717年、1722年、1730年)を出版しました。全部で27の「オルドル」(組曲)があり、伝統的な舞曲と並んで、想像をかき立てる題名の肖像や情景の曲が収められています:Les Barricades mystérieuses(神秘的なバリケード)、Le Tic-Toc-Choc(ティク・トク・ショク)、Les Moissonneurs(刈り入れをする人たち)、Le Rossignol en amour(恋するナイチンゲール)。
1716年にはL’Art de toucher le clavecin(『クラヴサン奏法』)を出版しました。運指、手の構え、装飾音の弾き方を扱った教本で、しなやかで優雅なタッチと、レガートに適した運指を勧めています。
クープランは、フランスとイタリアの趣味を融合させることも目指しました。それはConcerts royaux(『王宮のコンセール』)や、リュリとコレッリへのオマージュに表れています。Leçons de ténèbres(『ルソン・ド・テネブル』)などの宗教音楽は、深い緊張感をたたえています。
バッハは彼を敬愛し、2世紀後にはラヴェルが『クープランの墓』でオマージュを捧げました。ピアノでは、彼の曲はタッチの洗練、装飾音の技、そして絡み合う声部の形作り方を教えてくれます。